柴田の一切役に立たない能書きです。

一切役に立たない能書きシリーズ 新元号記念

連休もそろそろ終わりそうですので、まとめに入りましょう。

スイングアーム、エンジンの長さは外から丸見えですので、私でも解説できました。
彼らの本当にすごいトコロは、目に見えない中身です。
スイングアームを説明した内容より細かい煮詰めを、フロントフォークからホイール、フレームも全て実施しています。

だって当店のような素人集団でさえ、フロントフォークを例にとるなら純正を完全に分解し全てを磨いてフリクションを減らし、フォークオイルシールを低フリクションタイプに変更し、スライドメタルの組付け方向にこだわり、フォークオイルのエア抜きに1時間以上かけ、フロント周りの組付時の締め付けトルクを全てサーキット走行向けに変更しているのですから・・・。

私達言う、「完全な純正品」とはこのような状態を指し、それは外観からは見て取れません。

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エンジンの中身も凄まじいハズです。
チームによっては耐久性を完全に犠牲にし、トコトンやってきます。

「JSBはあまりエンジンの中身をいじれないのでは?」

いーえ、ヘッドガスケットとカム、バルブタイミングが変更できるのであれば、エンジンの性格はガラッと変えられます。
それどころかピストンとピストンピン、コンロッドの重量を揃えるだけで+200rpmできます。
クランクのフルバランスをとり、クランクケースの組立ボルトの締め付けトルクを調整すれば、さらに+300rpm回すことができます。

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+500rpm回す事ができればストレートで前を走るZX-10のスリップストリームに入ることができ、1コーナーで並び、長くなったスイングアームのおかげで2個目のコーナーでインに入れます。

S字に入ればセッティングの出ているサスペンションとスイングアームのおかげで早く向きが変える事ができ、逆バンク前で抜けます。
後はスムーズなトルク特性と、R1ならではの高いトラクションを利用し、段差のあるダンロップを他マシンより早く駆け、完全に前に出る事ができます。

「速ぇぇぇ。さすがに仕上がっている。」

とはこうゆう事です。
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知っていますか?
実はYZF-1、後輪出力はとっても低いんです・・・。
S1000RR、CBR、ZX-10と比べても、おそらく一番馬力が出ていないと思います。

中須賀さんのマシンも同じです。
他メーカーのトップチームマシンに比べれば、明らかにトップスピードが遅いです。


新型マシンが発売されて、即出場したのになかなか勝てない・・・。
HRCが復活したのに、復活1年目は簡単には勝てない・・・。
(2年目はヤバいね。)
高価なパーツがてんこ盛りのマシンなのに、まったくタイムが出ない・・・。


煮詰まるには時間と労力がかかります。
そして去年と同じで勝てるレースはありません。
それは昭和の時代から変わっていません。


今年の8耐、ヤマハファクトリー vs HRC vs カワサキワークス vs ヨシムラです。
令和最初の8耐は、完全に昭和ラインアップの復活ですな。



PRO-TEC名古屋北
柴田 典生











一切役に立たない能書きシリーズ 新元号記念

前回の続き、「この部品がいかにメンドクセー部品か?」の解説です。


「オイルパンを深く、下に長いタイプの純正パーツに交換する。」
一言で書くと、簡単そうですな・・・。

実際に交換するとしたらの、作業手順を確認してみましょう。

 オイルパンを交換する。(ヤマハ純正だから、ここは簡単です。)
 下に長くなったので、マフラーのエキゾーストパイプがオイルパンと干渉する。
 エキゾーストパイプをパイプ追加で伸ばすか、一から作り直すしかない。
 レース用は
コニカルパイプを採用しているので、単にパイプをつなげれば良い訳ではない。
 レース用極薄チタン板を切って、曲げて、溶接して作り直し。(溶接は激難)
 エキゾーストパイプが変われば、それ以降のマフラーパイプも角度が変わるので作り直し。
 マフラーが下がれば、アンダーカウルが干渉する。
 アンダーカウルを作り直す。(ドライカーボン製なら、メチャクチャ大変)
 オイルクーラーは写真形状のようにカウルにピッタシの形にしてあるので、場合によってはオイルクーラーも一段増やすなどの形状変更する。
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 多くの部品が下に伸びれば、重心も下がる。
 重心が変われば、サス周りのセッティングも変わる可能性あり・・・
 後に本来の目的、トルクとパワーを上げたいので燃調も変える。




「撹拌抵抗を減らし、トルク&パワーカーブをスムースに改善したい。」


変わっても1%ぐらいしか、UPしません・・・
副産物として、たしかに冷却効率はUPします・・・が、

メンドクサ過ぎ
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この部品、発売された時に使用用途が分からず、例の難波さんに問い合わせをしました。
こういったパーツを開発している張本人ですから・・・。

「大変な割にはあまり報われないから、おススメはしない。」

あんた、なんで売ってるの???



PRO-TEC名古屋北
柴田 典生










一切役に立たない能書きシリーズ 新元号記念

エンジンが純正より長い?

当然です。前回と同じです。
長い方が速く走れるから長いのです。
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意味分かりませんよね・・・。
どっからどうみてもエンジン外観は純正だし、それにレギュレーションでエンジンの載せ替えや改造は不可だし。

でも、実際に長いんだなコレが。

どこか長いかというと、エンジン下部のオイルパンが下に長いのです。
長いと言うより、深いのです。

黄色の丸部分
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ここはエンジンの中でオイルポンプでオイルが回り、一周して落ちてくるエンジンオイルを溜めておくトコロ。
それを一般的に「オイルパン」と呼びます。(ヤマハ的にはストレーナーという名前)

だからエンジンではなく、あくまで付属品のオイルパン
よって部品交換しても、レギュレーションには違反しておりません。
(屁理屈ですな・・・。ドヤ顔で語られると、イラつくパターンですな。)


何のために深いかって?
オイルの容量を増やしたい訳でもありませんし、4輪のようにオイルの偏りを防止したい訳でもありません。
ましてや簡易的にドライサンプ式に変更したいなんて、高度なワザでもありません。

それはクランクシャフトやミッションを、オイルパン内のオイル溜まり油面より1cm上にあげてオイルに浸からないようにして、高速回転時の撹拌抵抗を減らしてトルクカーブを改善し、さらにピークパワーを上げるためにオイルパンを深く、下に下げているのです。

エキゾーストパイプに隠れているので分かりづらいですが実際に交換してあり、エンジン全長としては下に長くなっております。


(誰? こんなコピー考えたひと・・・。 アホ?
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次回はこの部品がいかに「メンドクセー部品か?」を、解説します。



何がスゴイかって? 
この部品、普通にヤマハ純正部品として売っているのです。

だから秘密でも何でもありません。
当店でも買えますよ。

たった322,100円(税込)です。ご注文、お待ちしております。

令和の新定番チューンになれるかな?



PRO-TEC名古屋北
柴田 典生


一切役に立たない能書きシリーズ 新元号記念

前回、「ホイールベースが長い方が良く曲がる。」を説明いたしました。
皆さんが理解できたかどうかはわかりませんが、私は勝手に進めます。


でもって次は、JSB1000のマシンレギュレーション(改造範囲のルール)の説明です。

「市販車をベースとし、改造範囲は狭い。」と定義されておりますが、それはMotoGPなどを走っている純粋なレーサーに比べての話であり、一般的にはたっぷり改造できる箇所が残っております。


今回話題の中心である、マシン寸法に直接かかわるレギュレーション項目を要約すると・・・

● フレームは純正を使用しなければならない。
● ただしスイングアームは純正と同じ材質、同じタイプであれば、寸法を問わずに交換や改造してよい。
● スイングアーム軸心は、ピボット部の加工をして縦横最大+/-5mm調整と変更してよい。
● フロントフォークやアンダーブラケット類は、特殊な金属を使用しなければ全て交換しても良い。
● キャスター角はフレーム本体を改造しなければ、スペシャルブッシュを作成してキャスター角を変更してよい。
● そのスペシャルブッシュを取り付けるためのフレーム加工はしてよい。

つまり、「ザル」です・・・
ホイールベースもキャスター角も、スイングアームの長さや接地角度も変え放題ですわ。

もちろんリヤサスペンションも丸ごと交換可能ですので、縦や横や斜めもシート高も、とにかく全部好きな寸法に変更できます。

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サンデーロードなどの地方選手権のみが目的のナショナルクラス用マシンなら、トコトン改造してくるマシンはいませんわ。

しかしインタークラスは違います。
サンデーロードに出場しながらも実は8耐に参戦していたり、全日本選手権にもスポット参戦していたりします。
またライダー本人が全日本に参戦していなくても、所属チームの他ライダーが参戦していれば、チームメカニックは全日本レベルのマシン制作のノウハウを持っている事になります。

そーゆーヤツラはやってきます。

特にYZF-R1は2015年に発売されてから4年も経過していますので、私たちなんて足元にも及ばない知識と経験を持ち、異常なほどの執念を持って4年間も開発し続けているヤツラがいるのです。

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中須賀選手のマシンを見て見ましょう。
スイングアームが明らかに純正より長いです。
しかし形は純正っぽくしてあり、色は純正と同じ黒に塗ってあります。

スイングアームを長くするということは、ザっと下記の部分を変更しなければならない。
いや変更して速くすることができるのですから、喜んでやるのです。

1. リヤブレーキホース、チェーン、各センサーの配線等を長くする。
2. テコの原理でリアサスに対して支点力点作用点が変わるので、リヤサスのイニシャル(スプリング)を硬く変更する。
3. スプリングが変われば、圧伸び両方のダンパー調整も変わる。
4. 後ろが長くなった分、バイクの重心も後ろに下がるので、ウェイトなどで重心位置を調整する。
5. スイングアームが長くなり、さらにウエイトを積めば重くなるので、最低重量に合わすために他を軽量化する。
6. 後ろ周りが変われば、それに合わせてフロントフォークのセッティングも変わる。

そして一番の問題は、「何cm長くすると、程よいのか?」です。

当然、長けりゃ長いほど良い訳ではありません。
2cm、4cm?  いやいや8cmもあり?
ファクトリーレベルなら、5mm単位でテストでしょうな。
スイングアームを長くするだけなら、アルミ溶接ができる人なら誰でもできます。

でも、そーじゃーないんです。

マシンをセッティングやチューニングしている側やライダー側からすると、キャスター角は0.5°単位、ホイールベースは1cmも変われば、上記の変更も含めて大騒ぎです。


一流チームや一流メカニックの凄いところは、「自分のライダーなら、?cmロングがベストである。」という事を知っているトコロです。
そして彼らは?cm長くしたのなら、他の変更点をどうしたら良いのかも知っているのです。

ハイ、ここがポイントですな。
金かけた、シャシダイナモで何馬力とかの話ではないのはココです。
スイングアームを伸ばすだけなら、大してお金はかかりません。

「全体の仕上がり具合、細かい煮詰め具合がさすが。」
とは、こういうコトです。

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次回は「エンジンが縦に長いって、意味わかんない。」編です。


PRO-TEC名古屋北
柴田 典生

一切役に立たない能書きシリーズ 新元号記念

前振りしておいた「さすがにマシンが早い。」と、中須賀選手が乗るヤマハファクトリーマシンの話。
実は大いに関係あるので、久しぶりの「一切役に立たない能書きシリーズ」として、説明したいと思います。

ただし異常にマニアックな話になりますので、興味のない方は早目に離脱してください。
整備士でもググりながら読まないと、意味不明です。

それでも良い人は、GWの暇つぶし用にどうぞ。




「金や馬力の話ではない。」部分の例を挙げるには、ヤマハファクトリーマシンの「ホイールベース、長くないか?」とかの話は分かりやすいですな。

※ ここからの話の注意点

1.  ヤマハ YZF-R1限定の話です。
2.  リヤタイヤ周り限定の、非常にザクっとした説明にしてあります。
3 . サーキットを、それなりのタイムで走った時の話です。公道上での話ではありません。

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で、実際にホイールベースは長いのです。(2018年は長かった。)
ファクトリー以外でも、有力チームは数cm長いマシンが多いのです。
今時はマシン写真から割り出せばすぐに分かってしまうので、マル秘でも何でもありません。

何故長いかって?

そりゃ長い方が曲がるからです。

一般的にはホイールベースは短い方が曲がるような気がしますが、ここが分からないと「さすが。」までたどり着きませんな。

実際には一瞬の間で流れるように終わってしまうコーナーを曲がるときの動作を、無理やりザクッと3分割してみましょう。


A、 コーナー進入時、ブレーキングしてマシンを倒し込んで行きながら、INに向かう。
B、 倒したあと、バンクしながらリヤタイヤのグリップを失わない程度にアクセルを開け、向きを変える。
C、 出口方向にマシンに向きが変わり始めたら、マシンを立てながらのアクセル全開。


Aの時
ブレーキを掛ける事により、荷重と重心が前に移ります。
バイクの姿勢としてはフロントフォークが縮み、キャスター角とトレイルが減ります。
トレイルが少ない方が向きが変えやすく、コーナーのINに着きやすい状態です。
ちなみにこの時の荷重は前輪に90%以上移っており、後輪にはほとんど掛かっておりません。
実質的には前輪一輪走行中なので、ホイールベースは関係ありません。


Bの時
ブレーキを緩めるためにフロントフォークが元の長さに戻って、キャスターやトレイルも戻ります。
荷重は前40%、後60%ぐらいの状態で、しっかり前後タイヤはグリップしています。
曲がる方向へバンク中、バイクをコーナー出口に向かわせるのと、転倒しないようにバランスを取るため、僅かにIN側に向かってハンドルを切ります。(勝手に切れています。)
フロントタイヤはIN側にハンドルが切れて、バイク全体は内側にバンクしているために、リヤタイヤ進行方向延長直線状より、フロントタイヤは僅かに内側の路面に接地しています。
この時、リヤタイヤはハンドルにより向きを変えられないので、リヤタイヤ単体としては直進しようとしています。
そしてフロントタイヤより外側の地面に接地しているために、リヤタイヤはバイク本体をフロントタイヤを中心とした円を描かせようとします。
リヤタイヤの方に荷重がかかっているためにグリップとしてはリヤが上ですので、リヤタイヤを外側に押し出し、フロントタイヤはますます内側に向きます。

これが「バイクが曲がる。」という事です。


当然、更にリヤタイヤに力を掛け(アクセルを開ける)、グリップをさせると(ハイグリップタイヤ)、リヤタイヤがもっと素早く力強く、外側に向かいます。

そして同じ馬力とグリップなら、前輪と後輪が離れていればいるほどテコの原理でさらに向きが変わりやすい状態になります。
(支点と作用点の距離の問題です。)


だから長い方が曲がるのです。


そうです。
スイングアームを長くするのは、このBのために長くするのです。
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Cは・・・・。 
B+キャスターの話も絡める必要があるので、別の機会にしましょう。

今回はB限定の解説です。
そしてスイングアームを長くする目的は上記だけではありませんが、今回の説明内ではパスします。


※ ファクトリーマシンは毎年毎コースで改良されていきます。
なので今回の鈴鹿2&4で走っていた2019年のマシンが、実際に長かったかどうかは確認はとれません。
彼らは別の手段で曲げる事も出来ますので・・・。


この「長いと曲がる。」という理屈を理解していただけたと信じ、次回以降の「さすがのマシン。」の解説に移ります。


う~ん、文章だけでバイクが曲がる理屈を説明したのは初めてだ。
4輪とは全く違うようで、実は根本は同じの「曲がる理屈。」でした。
語彙不足、乱文、理論的に上手く説明できなくて、ごめんなさい。


例によって例のごとく、キャスターとかの意味は自力でググってください。

「わけわからん。」という人は、近くのプロに聞いてください。
柴田に対して突撃炎上しないように・・・。



PRO-TEC名古屋北
柴田 典生





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