YSP名古屋北はヤマハのバイク屋です

愛知県西春日井郡豊山町という名古屋市北区の上、小牧市の下にあるヤマハのバイク屋です。

柴田の一切役に立たない能書きです。

JAPAN MOBILITY SHOW 2023で柴田が感じたこと

東京モーターショー改め、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」が11月5日まで東京で開催されており、日本製のバイクや車を中心に、様々な MOBILITY (今回は物理的に移動し、行動性を備えた乗り物) が展示発表されておりました。

もちろん話題の中心は車やバイクのカタチをしながらも、未来を見据えた華やかなNEWコンセプトモデルたちです。
近年の内に実際に発売される予定のモノ、今はまだ「夢の中」のモノなどが展示されており、中には早くも存在自体で物議を醸し出している「特定小型原付(電動キックボード)」の新型も多数展示されていますね。


そんな中、異色中の異色、しかし「これぞSHOWとして相応しい!」とされるモデルがありました。

それは搭乗型ロボット「THE ARCHAX」です。

LL_img_369791_4

















事実、人が乗れます。

そして実際に移動できます。
ついでに変形し、人型ロボットにもなります。

この手のロボットは、つい最近までは「研究施設内で動く実験機」の枠内か、夢をカタチにしようと外観をそれらしく作ったリモコンやラジコンの延長線上の機械しかありませんでした。
(それはそれで素晴らしい試みであり成果でもありますので、賞賛されるべきモノですが・・・)

しかし今回のヤツはちょっと違います。
ISOやJIS規格に沿って設計され、衝突時の緊急事態発生時や普段??の乗降性までも考えてつくられた、市販品のMOBILITYなのです。

試験機でもなく、高額な玩具でもなく、あくまでも「市販の工業製品」であり、完全に「MOBILITY」と呼ばれるレベルまでついに達した「日本製の道具」となりました。


「バカみたい、アホみたい、アメリカではもっと・・・」とか能書き垂れている奴らを尻目に、立ち上がって一歩目を歩いた、実際に歩かせた(タイヤだけどね)町工場に拍手を!!!

そしてコイツをロボットショーや産業機械展ではなく、「MOBILITY SHOW」に出展許可した方たちのセンスに脱帽です。
技術はこうして蓄積されていく見本ですね。



お値段はたったの4億円。


中須賀選手のR1と同じぐらいだけど、今の実力では鈴鹿のラップは30分が切れるぐらい?

将来、二足歩行で鈴鹿を10分切ったら買おうかな?





YSP名古屋北
柴田 典生



今、新設計でガソリンを燃やして走るバイクを作る。

YAMAHAは電気自動車、電動バイク、水素エンジンや全個体電池が世界中を賑わせている2023年の夏に、東京や北京では近い将来にガソリン車が走れなく未来が見えている今、クランクケースやクランクシャフトまで全てを新設計したガソリンで動くバイクを、一般の方でも購入できる条件で発売しました。

それはオフロードバイクのコンペティションモデル2024モデル、一般的に言われる「YZシリーズ」のフラッグシップモデル、YZ450F & FXです。

もちろん「コンペティションモデル」=「公道走行不可」であり、さらに450ccは限られた一流ライダーしか乗ることができない特殊なモデルではありますが・・・

金さえ払えば、誰でも購入できるコトに間違いはありません。

「一流ライダーしか・・・」というのはライセンスとかの問題ではなく、とんでもなく恐ろしいほど速いからです。
初めて土の上で乗ると恐怖を感じるどころか、本気で死にそうになるパワー&トルクを持っています。
(WEB紹介文には「乗りやすく改良しました。」と書いてありますが、騙されてはいけません。)

1796682




























450cc・4ストローク・水冷DOHC・単気筒・チタンバルブ・ダウンドラフトインテーク・後方排気という、多くの方には馴染みのないスペック紹介が並びます。

おそらくこのエンジンが、直径100mm近い巨大ピストンを、13:1なんて限界の圧縮比で、一切の過給装置や電気的補助を受けず、さらには排出ガス規制なんて考慮しないセッティングで、ハイオクガソリンを贅沢に燃やして走る、最後のハイパワー国産NAエンジンになるでしょう。


NAエンジンでも、1気筒あたりの出力は過給機付きエンジンに全く引けを取りません。

ピストンだけ買って床の間に飾っておいても、「残すべき記念碑」として様になるレベルです。










YAMAHAの技術力は、鳩を飛ばすだけではございませんのよ。

YSP名古屋北
柴田 典生






リチウムイオンバッテリーはどうなったのか? 4

前回までのお話 : リチウムイオンバッテリーは結論でいうと、「正しく使用していれば、宣伝文句に相応しいレベルでモツ。」ものが ほとんど※ です。

 ↑ 残した宿題です。

この「ほとんど」に対する認識の差が、誤解を産んでいる原因かもしれない・・・

battery_lithium






























バッテリーに限らず、工業製品である以上は不良品の発生を完全に無くすことはできません。
出荷検査や抜き打ち検査をすり抜けて、不良品がお客様の手に渡ってしまう事はダメなことは十分に分かっていますが、ゼロにはできないですね。
多くの大人は「その通り。だからタマタマ自分が不良品に当たってしまっても、その後の対応さえキチンとしてくれれば怒るコトはないですよ。」と言っていただけますが・・・


言い尽くされていますが、日本製や日本メーカーの作る工業製品の信頼性や安全性の高さは、世界中からみても群を抜いています。
バッテリーなど、長きに渡って世界の信頼とシェアを勝ち取ってきたモノの不良品発生率の低さは、もはや驚愕のレベルに達しています。

その日本メーカーが作るバッテリーの「ほとんど大丈夫」と、比べれれる方(海外メーカー)はたまったモンではありません。
海外メーカー的には精一杯の努力をして、実際に一般的と言えるレベルまで不良品発生率を下げて、彼ら的な「ほとんどOK」にまで発生率を下げたのですが、日本製に慣れた人々には物足りなかったのですね。



それともう一つ、「不良品が発生したときの対応」の違和感です。

アマゾンや楽天、または街の激安店で海外製のバッテリーを購入して、それが不良品だった場合に販売サイトやメーカーに報告すると、驚くほど簡単に無条件で新品の別品に交換してくれます。
(逆にお俺は客様は神様的な交渉をすると、あっさりと相手にされなくなりますが。)

ユーザ側からの大した説明や状況確認もなく、一言いえば即「ハイ、無料で新品を渡すのでコレでOKしてちょーだい。」となることが多いです。
これは販売管理コスト上では正しい判断かもしれませんが・・・

コレ、日本人にはイマイチ合わないやり方ですねぇ。
日本人は自分と一緒に困って考えて欲しいのです。そして原因をしっかり追究し、結果を報告して欲しいのです。
そして改善されたモノ、確実なモノを説明付きで、直接手渡しして欲しいのです。
それを「キチンとした対応。」と期待するのです。

だってそうやって、時にはお客様から叱られながらも成長をしてきたのですから。



この「ほとんど」の認識の差や、保証対応の違和感が、「売っている側」からのリチウムイオンバッテリーが今一歩の信頼性を得られない理由の気がします。

そのために信頼性を売りにする正規ディーラーで、社外リチウムイオンバッテリーをお客様にガンガン勧めて売っているお店はあまり無く、「正規ディーラーが積極的に勧めない = 一般的な市場に数が出回らない」 となります。


この辺りの理由が、イマイチ市場に浸透しない本当の理由という気がします。










ちなみ補足というか蛇足かもしれないネタ。
ネットなどで販売されている「台湾ユアサバッテリー」と、日本の「GSユアサバッテリー」は完全に別物です。
資本も会社も工場も技術も、一切関係ございません。
全くの別会社で別製品ですので、お間違えの無いように。




リチウムイオンバッテリー編は、後一回で終わります。




YSP名古屋北
柴田 典生












リチウムイオンバッテリーはどうなったのか? 3

リチウムイオンバッテリーの安全性に関しては何となく納得した方、次の問題は安全性の次にくるべき「信頼性」ですね。

分かりやすくいうと「すぐにダメになるんじゃねぇの?」という不安です。


「ダメになる。」とは、具体的にはどのような事をさすのか?

先ずは最初「長寿命って、宣伝文句にあるほど長く使えるの?」っていうトコロですが、結論でいうと「正しく使用していれば、宣伝文句に相応しいレベルでモツ。」ものが ほとんど※ です。

この「正しく使う。」という点の代表は初期充電方法ですね。
リチウムイオンバッテリーの中には専用充電器が必要なモノもありますし、専用じゃなくても使用アンペアや充電時間が細かく指定されているモノがほとんどです。

いや本当はリチウムイオンバッテリーじゃなくても、正しい充電方法で充電しなければならないのですが・・・特に最初は・・・

太古より、バッテリーは取扱説明書を読まずにいきなり使用開始する事が、人類の習性となっております。
普通の鉛バッテリーでも、取説に書いてある低電流で10時間、本体の温度管理しながら充電する人類は希少種ですね。

大抵は買ってきて、「とりあえず即取り付けて、後は走ってりゃなんとかなる。」というバイオレンス気味な方が大半です。

それじゃダメなのよ・・・。
それでダメなのは、このバッテリーじゃなくてアンタなのよ・・・
昔ながらのバッテリーほど、人類に対しての懐が深くなくて「文明的な知識とルール厳守」が求められるのです。

なので「正しく使えば、とっても長くモツ。」と私は言い切ります。

71XNwbqYV6L._AC_SX425_


























次にくる信頼性は、「冬でも大丈夫?」ですな。

「寒さに弱い。」とかいわれておりますが、事実といえば事実です。
しかし愛知県の平野部、真冬でもほとんどマイナス気温にならないトコロにお住まいの方にとっては大した問題ではございません。この場合の「寒さ」とは下呂とか高山のレベルを指していて、元々「冬はバイクに乗ることはない。」という地域にやってくる「冬」ですから。

ただね、名古屋でも実際は朝に一桁の気温になってくると、セルの回りが悪いのは確かなんです。
けれどもこのバッテリーの面白いトコロは、「バッテリーの暖気運転しないと本当の性能が発揮できない。」トコロです。

どういう事かというと、寒い朝イチでメインスイッチ入れて、即セル回すと性能の60%ぐらいしか出ません。いわゆる「セルの回りが悪い。」という状態です。

これをメインスイッチ入れてから、セルを回す前にウインカー点けたりパッシングしたり、要はバッテリーの電気を使って「バッテリーの暖気運転」をしてからセルを回すと、100%の性能が発揮できる構造なのですよ。


「なんで?」と聞かれると、とっても長い説明が必要になりますので、ここではパス。
「そーゆー仕様です。」という、どこぞのエンジニアさんの常套文句でお終いにします。

という訳で、「冬に弱いのは事実だが、実際の使用にはほとんど差し支えない。」という結論にしたいと思います。
P1000114













↑ 団旗ね、だんき。




まだまだ続くでぇ
能書きタレの白髪ジジィの名は伊達じゃねぇっす。

※ の部分の能書きは、次回に持ち越しです。




YSP名古屋
柴田 典生
















リチウムイオンバッテリーはどうなったのか? 2

前回の話題から本題に入って行きます。

リチウムイオンバッテリーですが、発売時のブームも終わって最近は騒がれなくなりました。
軽くて小型、そして長寿命というコトでしたが、最近は現場の実データといえる「愛知県に住んでいる普通のオーナーさん。」が増えて、評価が揃い始めてきています。

お店でお客様に聞かれる代表質問は、物の安全性についてですね。
NETやSNSの影響で、「リチウムイオンバッテリー」=「中国製」=「たまに爆発する。」という、ものすごい劣悪先入観があるようです・・・。

2022-1024-earth-thumb1-1














先ずは知って欲しいのは、ちょこまか爆発しているのはモバイル機器用であったり、安価なアシスト付自転車に搭載されている中国製リチウムバッテリーなのは事実です。

ただしこのリチウムイオンバッテリーと、オートバイやクルマに使われるリチウムイオンバッテリーは名前が同じですが、実は原材料から根本的に違う別物です。
だからといって「安全である。」という根拠にはなりませんが、私が知っている範囲ではバイク用のリチウムイオンバッテリーが爆発した話は知りません。

ちなみにクルマ用のリチウムイオンバッテリー、近年でトップシェアを確保しているのは韓国製です。
韓国製バッテリーは今や信頼のブランドとなっており、リチウムイオンバッテリー以外でも純正でレクサスや某ドイツ車にも採用されております。

バイク用のリチウムイオンバッテリーでは、トップシェアは中国製です。
販売元やメーカー本社所在地は日本やフランスや他EU諸国であっても、実際に作っている国はたいてい中国製ですね。
これも実は普通のバッテリー含めてEUメーカーに純正採用されているコトが多く、信頼性というか爆発する可能性はまずありえないと考えてOKだと思います。

リチウムイオンバッテリーは日本でもH社の1000cc、ヤマハではOFFコンペティションモデルですでに純正採用されて数年が経っており、両車ともにオンロードor オフロードレースで活躍しながらも激しい転倒も経験を重ねておりますが、一発全損レベルの激しいクラッシュでも爆発炎上したコトはありません。

なので個人的な経験上、「リチウムイオンバッテリーは安全である。」という認識です。



「とりあえず安全の実績は分かった。他はどうなのよ?」


次回に続けます。





YSP名古屋北
柴田 典生










プロフィール

YSP名古屋北の人

今さら始めたTwitter
愛知県西春日井郡豊山町という名古屋市北区のちょい上、小牧市のちょい下でヤマハのバイク屋さんを営業中です。国道41号線沿いで名古屋空港の近くです。 原付スクーターから輸入車まで、通勤用バイクからレース用まで、なんでもお任せください。 とりあえずテキトーに遊びにきてください。
ギャラリー
  • 春の試乗会 XSR . YZF-R . MTの 125ccに乗れるチャンス!
  • 春の試乗会 XSR . YZF-R . MTの 125ccに乗れるチャンス!
  • '24 TEAM Matsnnaga 参戦体制と予定の発表!
  • MT-03 ご納車おめでとうございます。
  • VINO '24 ご納車おめでとうございます。
  • トリシティ155 ご納車おめでとうございます。
  • 春のYAMALUBE 4ストロークオイルキャンペーン
  • YAMAHA FACTORY RACING TEAM '24の体制発表
  • 2024年のJSB1000が凄いコトになっていますよ