PRO-TEC名古屋北での事。

YZF-R1で走るレーシングチームの片棒を担いでみる 28

という訳で、前回の予告通りに決勝のお話に進みます。

動画を見ると撮影車の前には、当チームの松永選手が写っています。スタート後の第2コーナーぐらいで松永選手は3位です。
そのまま特に無理してペースを上げる事もなく3番目でゴールをし、結果2位入賞しました。

スタートを良く見直すと、1台ジャンプスタート(フライング)しているのが分かります。
このぐらいのフライングだと、結構われわれ観客からは分かりづらく、「アレ?ひょっとしたらフライング・・・」ってなぐらいですが、一緒にスタートしているライダー達には結構ハッキリ分かるモノです。
フライングした当のライダーも即、「やってもうた・・・ 。」と分かっているので、「どうせダメだし、今日は練習がてら目一杯走っておくか・・・。」ぐらいな感じです。

松永選手もソレを分かっているので無理はしません。
「デビュー戦という事もあるし、東コースで無理してもロクな事はない.今回は2位でOK。」という訳で、2位で無事完走&入賞&表彰台です。
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レースはゴールラインを通過してから、そのままペースダウンして1周します。
その後にそのままピットレーンに入るのですが、上位入賞(原則は6位まで)者は自分のピットには直接戻れません。指定された場所に止める事が決められています。
ここにバイクを止めるのは誇らしげでもありますが、この後に一仕事しなければいけない場所でもあります。
上位者にはレース後に再マシンチェックがあるのです。バイクを30分止め、指示があるまではメカニックもバイクを触ってはいけません。
指示された箇所(サンデーだと主にエアクリーナーボックス回り)を分解し、再チェックを受けます。

これは例の安全に係わる処理の再点検と、簡単に言うとインチキしていないかを調べるためです。
安全処理に関しては、最初の車検時に見ていない(見れない)部分を分解して確認です。インチキ部分点検は正直、ほとんど見ません。エアクリーナー回りは元々改造OKですし、交換改造不可のインジェクター一式を、ごっそりインチキする猛者もいませんし・・・。

「じゃぁインチキってどうやって調べるの?」
基本は他チームからの抗議があって、初めて詳細を調べられます。
同クラスで同マシンなのにストレートで異様に速いとか、他チームさんが「あのマシンはインチキ臭い。  」と思ったら、レース後30分以内に審査委員会に保証金(抗議内容によって1万円~)を積んで抗議します。
抗議をされたマシンは、抗議された部分を分解して点検を受けます。
点検後、インチキがあれば保証金は抗議者に返金されますし、入賞も取り消しです。
インチキが無ければ保証金は戻って来ませんし、当然そのまま入賞です。
ちなみに上記の再点検も含め、分解&組立は誰もやってくれませんので、自分達でやりましょう。

ただ保証金の問題もありますが、普段一緒にレースやってる知り合いを訴える訳ですから、大金が絡んだプロライダーのクラスでもない限り、よっぽどのインチキの確信がなければ普通は訴えません。
(その他、ここには書けない大人の事情も多々あるし。)

それに第一、皆さんプライドがあります。インチキしてでも勝ちたいようなヤツ、出てきません。出てきてはいけません。
だから基本的には性善説に則って、粛々と30分経過するのを待つのみです。

当チームもちろんインチキはしていませんので、何事なく無事終了&入賞確定です。
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レースのレギュレーションブック(競技規則書)は、
原則として「書いてある事しか、やっちゃダメ。」です。
「やってはいけないと書いていないから、やってみた。」というような、抜け道を探すような事をしてはいけません。
新しいチューニングをする時は、事前にMFJなどの関係機関に確認をしましょう。

ただ抜け道は通ってはいけませんが、目的(レースで勝つ!)までの遠回りや有料道路は多々ありますので、みんな1馬力、0.1秒のために創意工夫を凝らすのです。

大昔の某Hさん系チーム、名チューナーの名言。

「ミリとグラムが、秒を削る。」

今なら0.1単位かな?

提供は大嫌いな健康診断がやってくる、柴田 典生でした。

お詫び ※カタログ等での燃費表示(WMTCモード値)の誤り

ヤマハ発動機株式会社が日本国内で販売している二輪車9モデルにおいて、カタログおよびウェブサイト上で表示した燃費(メーカーが自主的に表示しているWMTCモード値)に誤りがありましたので、お知らせ致します。
2018年1月19日発表 ヤマハニュース


大変申し訳ございません。
つい先日、当ブログで触れたばかりの「WMTCモード値」について、ヤマハよりカタログ表記誤記の発表がございました。
今後につきましては、メーカーと我々正規販売店と共にマニュアルに沿った確認作業を遵守するなど、再発防止に努めてまいります。


今回発表された「ヤマハニュース」だけでは、ご説明が足りない部分で誤解を招きかねない内容を改めてご説明させていただきます。

昨今、4輪車などで問題になった「燃費不正問題」とは、何が違うのか?

4輪車の「燃費不正問題」とは、燃費性能を実際よりも良くみせるためにデータを不正に操作して、その虚偽データ(主にJC08モード)を国交省に申告していた事を指します。
JC08モード値は、各4輪メーカーが国交省に申告する義務があります。

今回のヤマハWMTCモード値誤記の件は、元々国交省には正確なWMTCモード値が届け出てありました。
しかし車両設計、製造、品質テスト部門と、営業側といえるカタログ作成や販売部門との間で連携チェック不足により、お客様に対して発表したカタログ数値のみが誤っておりました

またWMTCモード値は先日の当ブログで記載いたしましたとおり、ヨーロッパ諸国の規制「EU4」に対する数値であり、2輪メーカーは日本国内では自主的に発表、申告している数値です。
本来は日本の国交省に申告する義務はございません。

上記の理由により、不正ではなく「カタログ等での燃費表示の誤り」との発表になったのです。

しかし実際にはプロとして、「お客様に間違った事を伝えていた。」事の方が問題です。
直接お客様と向かい合い、お客様に商品を説明させていただく我々販売店にとっては、国交省に対してどーのこーのより、誤った情報をお客様に伝えていた事の方が大きな問題です。
重ねてではございますが、お客さまに誤った情報を提供したことにつきまして、お詫び申し上げます。


今回の件について当ブログは、「良い事も悪い事も全部、事実のみをUP。」をモットーとしておりますので、あえて触れさせていただきました。

株式会社R41/PRO-TEC名古屋北
営業部長 柴田 典生

YZF-R1で走るレーシングチームの片棒を担いでみる 27

今回は本題とソフト路線に戻ってレースのお話で行きましょう。
車検やブリーフィングも無事終わり、「後は走るだけ。」からです。

先ずは予選ですが、実はあまりネタがない。
各ライダーは、おおよその自分のベストタイムをすでに知っています。
無理して転んだら元も子もありませんので、いつも通り走って目標タイムを目指すだけ。
また30分の予選時間では、マシンの大きなセッティング変更もできませんし、当チームの松永選手の普段のタイムからすると、始まってしまえば「ほどほどに頑張るのみ」です。
まぁ実際サンデーレースのこのクラスだと、よっぽどの事がない限り予選落ちはありませんし・・・。

2015r1meter















さっさと決勝レースのお話なんですが、この第4戦はご存じのとおり、松永選手が2位に入ったレースです。
以前にも紹介いたしましたが、たまたま3位の方がユーチューブにてUPしていただいておりますので、レース運びの解説はいたしません。

https://www.youtube.com/watch?v=dldBoopuhmo

せっかくだからこの動画、ちょっと違う見方をしてみましょう。

しっかりメーターが写っていますので、そこに注目してみます。
先ずはスタートですが、撮影者の方はYZF-R1でローンチコントロールを使用しています。
このシステム、R1に限らず他メーカーさんも純正採用されていますが、実戦ではあまり使うライダーさんはいません。やはり松永選手も使っていません。
理由は一つ、「手でクラッチミートした方が、速くスタートできるから。」です。
純正システムだと実際には、加速が遅いか or 前輪が浮きすぎてしまうか、どっちかになる事がほとんどです。
グっとレベルの高いシステムだと使った方が速いのでしょうが、純正レベルだとあまり使えないのです。

次に走行中はこの東コース、ストレート以外ほとんど3速しか使いません。前走者を抜くポイントもあまり無いコースです。
走っているライダーは必死ですが、外から見ている限りは今イチ凄さが伝わらないコースなのは残念無念。

ただタコメーターを見ると非常に勉強になりますよ。サンデーで3位に入れるライダーの、ブレーキングやアクセルONのタイミングがバッチリ分かります。
特にS字のライン取りには注目してください。コーナーのどの時点でアクセルを閉じ、いつバイクの向きが変わりアクセルを開けているのかが分かりやすいです。

この動画のマシンのメインストレート、よく見るとコントロールラインの結構手前で6速に入っています。前走の松永選手は、まだ5速で引っ張っている時点で6速に入れています。
そのためストレートエンド手前で伸びきってしまい、松永選手に近づけません。
ライダーさんの腕は十分速いのに、ちょっと勿体ない感じ・・・。

171112gp_rd18_008













皆さんはMotoGPや8耐のオンボードカメラは見る機会はあるとは思いますが、彼らワークスライダーの走りは余りにもレベルが高すぎて、参考にするのには無理があります。

この3位のライダーの方ぐらい、「普通の人達の中では速い人。」の映像だと、理解しやすく参考になります。

次回は決勝レース後のお話かな・・・?

1月末までに時系列が追い付かないと、今年の話がUPできない
ちょっと急ぎます。

提供はPRO-TEC名古屋北 柴田 典生でした。

たまにはヤマハの公道用のネタはいかが? 能書きシリーズ

昨年末より続々と発表されています「YAMAHA 2018年モデル」。
たまには公道用バイクの話題と思いつつ、「現車が到着していないからネタが無い!」と思っていましたが、ちょっと気になる2018年モデルの話題がありましたので触れてみます。
「250ccは興味ないわ。」という方も、ちょっと興味ある内容でお伝えします。

ただし当然、「一般的な新型車のご紹介」はいたしません。
(普通のお話は例によってヤマハのHPで読んどいてください。)

ひねくれモノの私ならではの視点で、能書き垂れてみましょう。
今回の話題の車両はYZF-R25/3と、MT-25/3の2018年モデルです。
18_YZF-R3A_WM6_3









疑問?は「仕様」です。 仕様(諸元)はこちら → 
YZF-R25/3 MT-25/3

疑問点とは2017年モデルから変更された箇所ですわ。

疑問点

車重が増えて馬力等が落ちている。
また定地燃費値、WMTCモード値が全モデル改善されているのよいが、
WMTCモード値が250ccと320ccで逆転している。
250ccの方が燃費が悪いのか?
それともヤマハ恒例の誤記なのか?
(定地燃費値は元々250ccの方が悪いのですが、定値燃費って実際あてにならないのでパス)

上記はEU4と呼ばれる排ガス規制をクリアするために、変更を余儀なくされた結果です。

 EU4をクリアするためにマフラー中身を変更したために重くなり、合わせてエンジンのカムも変えました。
 2017年モデルより薄い混合気を燃やさなくてはならない為に、ECUを書換えました。
 薄い綺麗な混合気の方がトルクや馬力が出しにくい為、結果として落ちました。
 薄い混合気を燃やし、馬力が落ちたためにスパークプラグの番手(熱価)を9番から8番に落としました。
 新マフラーと新カム、ECUを新設計してプラグを高価なタイプに変更したために、価格も上がりました。

だいたいはこんな理由です。


ザクッと説明すると、WMTCモードと呼ばれる走行パターンで走行した時に、消費されたガソリンの量WMTCモード

その時に排出された排ガスの中身(COやNOx)が、基準の量を下回らなくてはならないいけない規制がEU4です。

厄介なことにWMTCモード値もEU4も、基準が量なのです。
割合(パーセンテージ)ではなく、量である事がミソですね。

この車両のように同じ車体(250も320も同じ車体、車重もほぼ同じでピストン直径が違うダケ。)でモード走行すると、当然加速も100km/h速度維持も、馬力の少ない250ccの方が不利です。
WMTCモードは実走行に近い走行で測定しますので、「100km/hまで加速し、そのままで走れ!」と指定された場合、少排気量車の方がエンジンは負担が大きくなり、回転数も高くなります。
高回転を回し負担が増えれば当然、ガソリンの消費量は増えます。
結果としてWMTCモード値は、250ccの方が悪くなるのです。
(定地燃費逆転の理由も、似たようなモノです。)
18_MTN250_MNM3_3











実際のところ、250ccで友人の大排気量車と同じペースで走った場合は燃費が悪くなり、単独で自分のペースで走った場合は250ccの方が燃費は良くなるって事です。

バイクを買った後の維持費が気になる方は、「自分の乗り方、使い方。」考えてから諸元表の中のWMTCモード値と車重を気にしてみましょう。
購入を迷った時の参考にはなると思います。

より詳しい事が知りたい方は自力でググること。
どーしても分からん人は、店頭でヒマそうな柴田の機嫌をうかがいながら聞いてみてください。

提供はPRO-TEC名古屋北 柴田でした。

YZF-R1で走るレーシングチームの片棒を担いでみる 26.1

レースの車検やピットクルー話など、秘密じゃないのに意外にどこにも書かれていなのは、知っていても何の役に立たないからかもしれないシリーズの続きです。
あまりチーム活動と関係ないので、26.1となっております。

例のレース車検時には、「ガソリンの領収書」の提示が必要です。
参戦している鈴鹿のクラスには、本番使用可能ガソリンが規定されています。
使って良いのは鈴鹿サーキット内にある2軒のガソリンスタンド(コスモ、シェル)で、2週間以内に購入したガソリンしか使用できません。この購入証明書として、領収書が車検時に必要なんです。
さらにこのガソリン、追加の添加剤はもちろん、2軒で購入したからといっても混ぜて使うのも禁止されています。
ちゃんと抜き取り検査もあり、違反していると失格になってしまいます。
(高価なレース専用ガソリン使用を不可にし、参戦費用を抑えるのが目的です。)

このガソリン、価格は一般よりチョイ高めですが、オクタン価などは市販ハイオクとほぼ同じです。
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ここから話が横道に逸れます。レースマシンセッティング(燃調&点火時期)のお話を一つしますが、あなたの公道用バイクには一切何の役に立ちませんので覚悟して読みましょう。

レースマシンのセッティングをキチンと出すなら、本番で使用するガソリンでセッティングを出しましょう。(さすがに2週間以内購入ではなくても良いですが・・・。)
シャシダイに乗っけてデータ取りの時点から、本番ガソリンを入れてください。

理由はガソリン成分の違いです。オクタン価は同じでも、添加内容成分は各社かなり違います。街のガソリンスタンドでも頼めば成分分析表を取り寄せてくれますが、分析表を読むと「ガソリンって添加剤勝負なのね・・・。」ってのが分かります。

さらに同じガソリンブランドでも、製油所(知多半島とかにあるヤツ)によっても違いますし、供給地区(主に気温差)よっても添加剤割合が違います。

セッティング時にバイオガソリンコスモ石油さんとかの普通のガソリン)とか入れて、本番でバイオではない指定ガソリン入れると、実走燃調データは結構変わりますので、「どこのガソリンが良いのか?」ではなく、本番で使えるガソリンで燃調データを作らないと、詰めたセッティング(特に点火時期)ができません。
主に中速域のトルクの出方と、高回転時のデトネ(異常燃焼)に差がでます。

現在の参戦クラスはそこまで詰めてのセッティングは必要ありませんが、エンジン中身のチューニング可能なクラスでは、「どのガソリンで走るか?」は、重要な点になります。
クラスが上がって使用ガソリンに規定がなくなれば、とりあえずオクタン価を上げるだけなら市販ハイオクにトルエンやメタノールを混ぜときゃOKです。ただしエタノールは止めておきましょう。オクタン価は上がりますが、ロクな事になりません。

P1080511

















もしあなたが本気で+1馬力を追っているのなら、ガソリンにこだわりましょう。
elfのレースガソリンでググると、びっくりするぐらいガソリンに種類があるのが分かります。
そして価格にもびっくりするハズです。(高いヤツだと、1Lで2、000円ぐらい)
またいつも何気なく入れているガソリンが、普通のガソリンかバイオガソリンなのかを知ってみるのも一興です。
(公道車の性能には、一切関係ありません。)

ハイ年始早々、今回も誰の役にも立たない内容でした。

次回はソフト路線に変更するつもりです。

提供はPRO-TEC名古屋北 デトネで壊したピストンは数えきれない柴田 典生でした。

ギャラリー
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