PRO-TEC名古屋北での事。

YZF-R1で走るレーシングチームの片棒を担いでみる 41

「松永劇場 第四章」の始まりです。

予選の走行時間は20分間。
この間は好きなタイミングでスタートし、好きなだけ走行してOKです。

松永選手、即コースイン 
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1周目、マシン &  コースチェックでゆっくり走行、問題なし
2周目、ライダー同士のポジション取りやタイヤ温度の関係で、フルアタックはできません。
3周目、アタック開始で、とりあえずの2分16秒44 
4周目、まだまだ上がる、タイムは2分15秒83 

5周目・・・、マシンに異常発生です。ケースカバーからの激しいオイル漏れです。

そのままピットに戻り、予選終了時間を待たずにドックインで予選終了

実質1周でした。  まともに走ったのは・・・。

その1周で、貫禄のポールポジション獲得 

P1080748

















あんた・・・さすがだわ・・・。

不安要素しか無い中で、全員の期待を背負い、1周しかチャンスは無かったのに、
その1周でポールを獲ってくるとは・・ ・

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オイルもれは右側のクラッチ部分のケースカバーからです。
そこは今朝、組み立てた部分です。 

主な原因はケースカバーに使った中古のガスケットと、中古のボルトですわ。
中古のガスケットがダメなのは、皆さんも想像がつくと思います。
当然といえば当然です。

問題はボルトです。
実はYZF-R1のエンジン周りのボルトは、一回緩めたら再使用不可なのです。
毎回新品ボルトに交換しなければならないほど、シビアな管理が必要なエンジンなのです。

松永さんの本番車は、毎回新品ボルトに交換しなくても良いように対策がしてありましたが、今回の林さん号は、次回整備のついでにやるつもりで対策が遅れていました・・・。

店で組む時、ヤバいの承知で組むしかない状況であり、「予選の周回数だけでも持てば・・・。」と祈っていましたが、結局ダメでした。
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しかしとりあえずの予選はトップ 
次走るのは明日の午後 
明日は柴田が応援団引き連れて、朝一から部品と工具一式もって鈴鹿にやってくる。
オイル漏れの修理は十分に間に合うハズので、ライダーと現地応援団はホッと一息です。


そのころ店では、ユーチューブで予選を見てました。

予選トップで大喜び 
即ピットインで愕然 
オイル漏れの報告電話でゲッソリ 

柴田は大慌てで修理部品と工具、普段は使用しない速乾液体ガスケットや再使用可能ボルトをかき集めています。
明日早朝から現場で修理する準備で、大忙しでした。

そのためです。
このレースウィーク期間、このブログがエライ雑な更新になったのは。 



次回はクライマックス? 決勝の27日です。

アナウンサーさんに、「松永劇場だ」と言わせた決勝です。
お楽しみに


PRO-TEC名古屋北
柴田 典生




YZF-R1で走るレーシングチームの片棒を担いでみる 40

時は5月26日の土曜日、朝9時です。
ここから「松永劇場」の第三章の始まりです。

今回は緊張の連続ですので、癒し用に当チーム自慢の女性応援団をUPしておきます。
実は当チーム、群を抜いて美人の応援が多いんです。 
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松永さんより、出勤途中の柴田へ電話が入ります。
「昨日修理してもらったハズだが、直っていない

この日は朝イチから練習走行、そのあとは午後4時から公式予選のスケジュール。
その朝イチの1周目で、ギアが入りません・・・。

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松 「まったく症状が変わっていない。 」
柴 「 ・・・  」
松 「原因は何だと思う?」
柴 「ギア、ミッション本体だと思います。」
松 「どうすりゃイイ?」
柴 「 ・・・  」
松 「諦めるしかないのか?」
柴 「とりあえずマシン変更、再車検のリミット時間の確認を。」
松 「絶対に諦めたくない。
柴 「店でスタッフと、作戦考えます。」

前日の修理、直っていませんでした・・・ 
実際に走り、ギアに負荷がかかるとシフトチェンジできません。

鈴鹿で松永さん達、豊山の店で当スタッフ大至急の作戦会議です。
当店スタッフは土曜日のために一般整備のご予約を多数いただいており、それを無視して鈴鹿に行くわけにはいきません。
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作戦会議の結果は「店にある林さん号を組み上げ、マシン変更手続きの上で再車検を受ける。」に決定です。
部品在庫状況、午後の予選走るためのタイムリミットを考えると、それしか手がありません 

 我々はお店においてある林さんのマシンの、昨日分解したクラッチ回りを組み上げます。
 新品部品やガスケットはないので、当店の試乗車を分解して部品をかき集めて組み上げます。
 その間、林さんが鈴鹿からハイエースを走らせて店へ向かっています。
 店で組み上がったマシンを鈴鹿へ再度、林さんが運びます。
 松永さんの本番車と、前後サスやブレーキ一式、エアクリーナーやその他諸々が違う仕様なので、全ての部品を現地にいる人達で移し、入替えます。
 組み上げたマシンを再車検受けて、合格
 その他は当然、予選に向けてタイヤ交換などの一般整備が山盛りです。

で、間に合ったんですわ。  間に合わせてくれたんですわ。

土曜日に応援に来てくださった方々、手伝ってくれた他チームの方々、全員のおかげです。
いわゆる「プロの整備士」が、ほぼいない中で、よくぞ組み上げてくれました。

ありがとうございます。 皆さん、本当にありがとうございました。
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そして組み上がったマシン・・・

中古部品のみで、突貫で組み上げたエンジンを積み、
現場の人達が、寄ってたかって脚回りを組み上げ、
元々一度も乗ったことのない林さんのマシンに跨り、
練習走行時間はとっくに終わっているので、テスト走行はナシで、

絶対にあきらめないゼッケン41番、
松永選手は予選を走り始めます。




続きは次回の第四章をお楽しみに。


※ 鈴鹿のピットはペット持ち込み禁止です。
      ヘビっぽいのは、林さんの妹です。ペットではなく、応援団です。

PRO-TEC名古屋北
柴田 典生





YZF-R1で走るレーシングチームの片棒を担いでみる 39

前回の続き、「松永劇場」の第二章です。

一見無事に修理完成し、引き渡した23日からのお話です。

この週末はサンデー第2戦を控えたレースウィークで、松永さん達は25日の金曜日から鈴鹿入り。
金曜日の練習中、途中までは良かったんです。
2分13秒台も狙えるんじゃないか? という勢いだったんです。
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金曜日の午後に松永さんから柴田へ、緊急電話が入ります・・・。

「ミッションが入らん 4速から上が使えんくなった  

まじ 

ギア? シフトフォーク? ドラム? いろんな原因が浮かびます。
エンジン載せ替え? ギア修理? マシン変更? 修理方法の検討を即開始です。
今はマシンは鈴鹿、現場で対応できる? スペアパーツは?
23時間後には予選開始、20時間後にはマシン変更締切です

松永さんはマシンを積み込み、鈴鹿から特急便でお店まで持ってきてくれました。
早速、チェック開始です。
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ん? 確かにギアは入らないが、なんか変です。
異音はしないし、シフトタッチも何か変な感じです。

エンジンを載せ替える予定でしたが、とりあえず一回はエンジンを開けてみる事にしました。
クラッチ側を開けてみると、ナント  内部でシフトシャフトの一部が欠損、脱落しています。

  原因はコレだ 
  スペアマシンから、部品を移すぞ 
  クラッチカバーのガスケット新品がない? とりあえずは中古ガスケットで行こう 

上の三つ、全て私の判断が甘かった。
翌日、この三つが原因で大問題が発生するのです。

判断、決断、作業、確認、選択、日頃の準備の甘さです。

松永さん、林さん、ごめんなさい。
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とりあえず林さんが急遽、お店まで自分のマシンを持ってきてくれました。
スペアマシンとして、松永さん号にパーツを移設するために持ってきてくれたのです。

パーツを移設し、中古のガスケットを組込み、完成。
とりあえずのマシンチェックをお店でします。

1速から6速まで、キレイに入ります。異音も一切しません。
シフターも含め、全て正常稼働です。
もちろんオイル漏れも一切ありません。

低負荷状態では。


25日の夜、完成したマシンをハイエースに積み込み、松永さん達は鈴鹿に向かいます。
私は脳天気に、「がんばって。日曜日は応援に行きます」とかなんとか言って、送り出して終了です。
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この時点で林さんのマシンはクラッチ回りがバラバラ、その状態でお店に置きっぱなしです。
松永さんは早朝の土曜日に備え、ホテルで安心して爆睡です。

そして土曜日26日、午後からの予選の前に、恐怖の練習走行が始まります・・・。

そして・・・

OMG !!!



次回に続きます。

PRO-TEC名古屋北
柴田 典生




YZF-R1で走るレーシングチームの片棒を担いでみる 38

いきなりですが、YouTubeの鈴鹿公式チャンネルで、レース開催日は1日中ライブ配信をしているのをご存じでしょうか?

サンデーレース第2戦もしっかりアナウンサー付きで配信されており、当チームの松永選手が追い上げ走行中の姿をアナウンサーさんが、「松永劇場  」と表現してくれました。

その「松永劇場  」、始まりは5月13日、雨の鈴鹿で大転倒したところからがスタートです。
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4月後半になり、松永選手はマシンと共に絶好調
例の新しいブレーキも最高のフィーリングで、BEAMSさんのNEWマフラーも装着しました。(注1)
体感でハッキリとパワーも上がり、明らかにタイムも縮まる気配です。
5月に入り、NEWカラーのカウルやツナギ、チームウェアやレースクィーンの衣装も完成して準備は万端です。

そんな絶好調の中、さらに練習するために13日の雨の日、鈴鹿で激しく転倒しました。
デグナーで転び、メーターやカウルがステーごと吹っ飛んで無くなり、
右のハンドルバーが折れ、千切れるレベルの転倒です。(注2)
( マシンが縦に転がって行くのが見えた。 ※本人談 )

転倒当日に店までマシンを持ってきてくれたので、
「23日までに直して欲しい。」という希望も「10日もあれば楽勝楽勝。」と、
タカをくくっていたのが店側の歯車の狂い始めです。

いざ修理の段取りを始めてみると・・・

在庫があり、即納のハズの部品がなぜか来ない
↑ 配送業者の誤配ミス

6日で到着予定の部品が、7日たっても発送さえされていない
↑ 部品業者側の受注処理ミス

ようやく到着した部品が使えない
↑ 単なる不良品

ちなみに全部、違うメーカーや部品業者の話です。
結局、必要な部品が全てそろったのは、22日の夕方でした。(注3)

当然、突貫修理の開始です。
なにせ引き渡しの約束は明日ですから・・・。
働き方改革なんて完全無視の時間帯まで、「昭和仕込みのブラック体質、なめんなよ。」って感じですわ。

それでも何とかカタチにし、無事に23日中には松永さんにお渡しいたしました。

ただしレーサーならではの事情、「試乗しての作動確認ナシ。」です。
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松永劇場の第一章はここまでです。
次回の第二章に乞うご期待

注1) BEAMSさんの新作、レース専用品です。
注2) 本人は「R1が弱い。」と言っておりますが、明らかに間違った認識です。
注3) 普段はあり得ません。99%の部品が予定通り到着しますので、ご安心ください。



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柴田 典生

YZF-R1で走るレーシングチームの片棒を担いでみる 37.2

鈴鹿サンデーロードレース 第2戦 

おかげ様で、松永選手は優勝いたしました。

幾多のトラブル、苦難を乗り越えての優勝です。
正に、「皆様の応援のおかげで勝つことができました。」です。

トラブルが続いて、マシンが出来上がったのは決勝2時間前
テスト走行なしの、ぶっつけ本番
壊すわけにはいかない借り物スペアマシン
慣れないマシンでスタートミス
借り物だから、レブリミットまで回せない

結果だけみると、ポールtoウインで楽勝っぽいですが・・・。
裏の状況はハードル高すぎでした

しかし勝った 

あんた男前だわ

Ds010435

















本人はレース後、「楽勝だった。」と言っていましたが、見てる方はヒヤヒヤでした。

詳しいレース情報は、当店メカニックの大反省も含めて、
後日に再アップいたします。


今回、土日に応援に来ていただいた方々、本当にありがとうございました。
勝ったから言える言葉ですが、レースの醍醐味が味わえた週末だったでしょう?

「大の大人が本気で遊ぶ。」 

これがレースです。


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柴田 典生



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