前回の続き、エンジンオイルがようやく一周したとこからです。

オイルが一周しただけで、各金属部分に熱が伝わり熱膨張し、各クリアランスが整うまでには至っておりません。
燃焼室の高温がエンジン全体に伝わり、クーラントが暖まるにはまだまだ時間が掛かります。

整備士的には回転数を上げたり高負荷を掛けるには早すぎると思いますが、そろそろ発進の準備に入ります。
バイクに跨り、クラッチレバーを握ってギアを1速に入れてみます。
ギアのタッチは固く、ガツンとシフトショックもありますが、気にせず入れてしまいましょう。

この「朝一番のギアの固さ」、実はメーカー差が結構あります。
正直なところ、国産バイクメーカーではヤマハ車が一番固いと思う。

固い理由はイロイロありまして、設計やクラッチの材質に問題がある訳ではないのですが、ヤマハは固いのは事実ですね。
まぁ乗り始めればまったく気にならないので、ココは気にせず蹴りこんで一速に入れてください。

IMG_20220219_150643




















ようやくバイクをスタートさせますが、そう簡単には走りだせませんよ。

半クラッチを当てて、2~3mほど進めてから前ブレーキを掛けてみましょう。
モーニングブレーキ(またはモーニングエフェクト、モーニングシックネス)が発生し、ちょっと怖いですね。
モー何たらとは、簡単にいうと「朝一番のカックンブレーキや異音」のことです。
軽くブレーキレバーを握り、ブレーキローターとパッドを接触させたままでホイールを2~3回転させれば、とりあえずカックンブレーキと異音は収まるハズですわ。

このモーニングブレーキは異常ではありませんし、実はクルマでも発生していますので気にしてはいけません。
ただし現象を確認し、カックンブレーキを収めてから走り出すのも暖気運転の一つです。


最後に一回しっかりブレーキを握り、キチンと前ブレーキが効くのを確認いたしましょうか。


そして後ろブレーキは・・・

まぁ、朝はどーでもいいわ・・・
ディスクブレーキなら、ブレーキペダルがついているのさえ確認すればそれで良いです。
走り出しから適当に踏んで、安全確認してください。

ただしドラムブレーキは気をつけてください。
モー何たらが、激しく発生する場合が多々ありますので注意しましょう。
発生している事を気付かず、普通に走ってからいきなり踏むと、僅かにブレーキペダルを踏んだつもりなのにリヤタイヤがいきなりロックしますので・・・

そしてブレーキの点検を終え、止まった時点で各警告灯やミラーを再確認してから、ようやく発進です。

IMG_20220219_150702





















まだ続くんだな、これが・・・
春までに発進できるのか?
もう暖気運転がいらない季節じゃないのか?

次回こそ、待望の最終回です。



YSP名古屋北
柴田 典生