だんだんと寒くなり、本格的な冬が近づいてきました。

寒い季節になってくると、納車時などに良く受ける質問があります。

「暖機運転って、した方が良いのですか?」

この質問の答えを説明書どおりに答えるのであれば、「暖機運転は不要です。」となります。
外車などではタンク上に、「暖機運転禁止!」とまで書かれたステッカーがガッチリ張ってあるぐらいですからね。

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ただしちょっと待ってください。
エンジンの材質はほとんどが金属です。金属であれば、熱による膨張は必ずあります。
またオイルは温度が高い方が流動性があり、ゴム類も弾性が上がります。

「物理的に考えれば、暖機運転は行うべきじゃないの?」

ハイ、その通りです。
いろんな機械、エンジンは常温前後で調子よく動くように設計されていますから・・・



ここが誤解されるポイントです。

本来の暖機運転とは、「サイドスタンドでバイクを支え、アイドリング状態で数分待つ。」という意味ではありません。

本来はエンジンを始動し、走り出してからの5~10分間はエンジンの回転数をあまり上げず、ゆっくり安全運転することが正しい暖機運転です。

そうなんです。今時の正しい暖機運転は、暖機走行と呼びます。

そういう暖機走行は必ず行いましょう。
「おすすめ!」ではなく、必ず行った方が良いですよ。




次回は整備士の立場からみた暖気走行、さらには柴田主観の暖機走行を説明いたしましょう。


柴田 典生