セローについていろいろ書いてきましたが、ここまで読むと「セローって、ホントは凄いオフロードバイクかも?」って思う方も多いかもしれません。

実はセローの本当に凄いところは、「オフロードバイクじゃない。」ところです。
(ここまで散々書いてきたのは私ですが、そんなコトは忘れました。)


先ずは基本的に、セローはトレールバイクです。

トレールバイクというカテゴリーは実はヤマハ独自のカテゴリー名であり、ヤマハが「単に馬力だけのオフロード車はいらない。」と、昔に名付けたのが始まりです。

由来は前述のとおり、「土を、岩を、山を楽しむためのバイク。」ですな。


しかしもっと大事な事を、ヤマハは忘れていませんでした。
それは「実際の走行は9割アスファルトの上、通勤とかにも使うだろう。」という、とっても現実的なところです。
事実ヤマハの社員さん達もセローで通勤している方はとても多いのですから、サンプルやモニター数には事欠きませんでした。

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そして進化は進み、高速道路走行も見据えたエンジンとフレームを備え、年々厳しくなり法的規制をクリアするためにも250ccになりました。

250ccになり、225cc時代に比べて増えた重量は約4kgちょっと
各部の軽量化の努力の結果、実は増えた分の半分以上はマフラーのサイレンサー分です。

ご存じのとおり、車やバイクは安全装備や環境対応を含めて、年々大型化と車重が増えていってます。
このご時世、この価格帯で4kg増に収め、実用回転数のトルクウェイトレシオを改善し、足回りの性能を上げ、環境基準をもクリアした開発陣の苦労は計り知れませんな。

「225の・・・昔は軽くてよかった。」なんてのは、単なる懐古主義と言われてしまいますよ。

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そうして作り上げられたのが「今のセロー」です。

通勤でアスファルトの上しか走らないセロー
超初心者でも、即乗れるセロー
上級者が険しい山岳を登るために乗るセロー
キャンプに行くとき、山盛り荷物を積めるセロー

全部、「今のセロー」です。




カタログスペックや豪華装備なんて、どーでも良いんです。
オフロードでこれより速いバイクなんて、いくらでもあります。
そして35年の間、一度も年間販売台数トップ5に入った事もないんです。


「自分達が乗りたいと思うバイクを作る!」

そんな理由だけで、ひたすら大事に大事に作り続けたヤマハに拍手を



「いつまでも、あると思うな山とセロー」


私の言葉ではありません。ものすごくセローが好きなある方の言葉をお借りしました。





PRO-TEC名古屋北
柴田 典生