昨日の続きです。 

ブレンボさんのキャリパーには多種多様なモデルやシリーズがあります。
各2輪メーカー用のOEMや、OESの話は置いておいて、高性能キャリパーシリーズのお話です。
ただ今回の内容、いつもにも増して正解かどうかは分かりません。
相手(ブレンボさん関係)もコロコロ事情が変わるので、「だいたい合ってる。」ぐらいと思っておいてください。
なにせ相手はイタリア人ですから・・・。
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先ずは「HPシリーズ」です。
これは基本的には公道用であり、ダストシールも付いています。
HPシリーズ内でも最高峰は、CNCニッケルコートボディのチタンピストンタイプですな。
キャリパー1個で税抜き20万円を余裕で超えますが、今回紹介する中では最安です。
安いといっても、性能は十分すぎるほどに十分。
サーキット走行を楽しみたいという方であれば、不満は一切ありません。
普通の純正OEMやOESシリーズとは、段違いの性能を誇ります。
このシリーズを純正採用しているのはアグスタやドカティの上級モデルぐらいですな。
メンテナンスも原則公道用なので、普通のブレーキと同じで手間要らずですね。
ディスクプレートも純正そのままで使用できるモデルが多いので、安価?にシステムが組めます。

このシリーズはどこのバイク屋さん、パーツショップでも購入できます。 
公道&スポーツ走行に使いたいのなら、全部で50万ぐらいで何とかなるコレを買いましょう。
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次は「レーシングキャリパー」です。今回入手したのはコレですわ。
その名も「ブレンボ/モノブロックラジアルマウントキャリパー/エンデュランスタイプ」
その名のとおり、レース専用品でダストシールとかも最初から付いていません。
またキャリパシールは公道用より柔らかく、ブレーキタッチ優先となっています。
ニッケルコートか否か、ピストン直径の大小の差はありますが、基本はチタン軽量穴あきピストン付きです。
1個で税抜き30万円を超えるモデルばかりですし、さらにレーシングキャリパーは原則としてブレーキパッド等の付属品は別売りです。 
なおパッドは1キャリパー当り、30,000円ぐらいします。左右で60,000円です。
さらには組み合わせるディスクプレートも、厚みなどのサイズが指定されてきます。
今回のようなディスクプレートまで含めたフルセットで購入すると、新品定価なら1台分で100万円を楽に超えます・・・。
そしてパッドの減りも凄まじい・・・。
走る度に削っていくのは、パッドかタイムか、それとも貯金か? 

このクラスになると一般的なカタログには記載されていません。
ただ外観はHPシリーズと似ているモデルも多数あるため、混同される事がありますが性能は大きく違いますので注意が必要です。

ちなみに何も考えずに成金買いで、「1番効く組み合わせで売ってくれ。」と購入すると、効きすぎて単に使いづらい最悪ブレーキとなりますので、ちゃんとマシンやタイムに合わせて考えて買う事が必要なクラスです。
ピストン径もディスクサイズも、「大きければ良い。」というレベルでは無いのですわ。
どこでも購入できるわけでもなく、ダストシールが無い為に走る度に分解清掃が必要なので、それなりのショップを通じて購入取付が基本となります。
だから松永さんも購入を躊躇していたのです。

そうです、勢いだけで購入してはイケないクラスなのです。
本気で「勝ち」を狙う人が、一つでも順位を上げたい人が買うクラスです。
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そしてこれが普通の人、私達が使うキャリパーの実質的頂点です。

明日の3は、「普通じゃない人用」のお話です。 お楽しみに


PRO-TEC名古屋北
柴田 典生