前回の困った問題点シリーズで「解決策がみつかった。」という、
シフトが固いというヤツの件です。

解決策というのは、結果的にはバックステップ丸ごとアグラスさんのストリート用バックステップに交換するという事でした。
で、今までつけていたバックステップと何が違うかというと・・・。

ステッププレートやシフトペダル等の部材が、分厚くゴツくなっています。
合わせて各部品の組み付けボルトも1サイズぐらいずつ、太くなっています。

さらにはシフトペダルの支点の位置が、純正と同じに戻りました。
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黄色の「コレ」の部分です。純正もココです。
以前のステップは、奥まった白い「ココ」の部分に支点を支えるためのパーツを取り付け、そこにシフトペダル支点がきていました。

実は黄色のコレ部分はサイドスタンドの取付ステーも兼ねています。
レーサーは当然、サイドスタンドはステーも含めて取り外しますので本来は使えない部分です。サイドスタンドが取りついている前提のステップなので、「ストリート用」となっています。レーサーに取り付けるには、逆にスタンドステー部分が邪魔になるのでカットして付けるしかありません。

白い「ココ」は奥まった場所ですので、長いカラーを入れて手前に取り付け支点を引き出す必要がありました。ただ純正と同じぐらいに手前には構造上できず、少し内側に入っていました。
また支点が少しだけ後ろになる事になり、シフトロッドを単品制作していくら調整しても、エンジン側シフトアームと完全に平行にできませんでした。(赤い線のお話です。)
その結果、エンジン側のシフトアームにシフトペダルが前後左右少しずつ斜めになった状態でした。

アグラスさんのステップに交換した事により、純正より重くゴツくなりましたが全体剛性が格段に上がり踏ん張っても歪まず、ペダルを蹴り上げてもねじれず、さらに力点支点作用点の配置改善がされました。
結果としてミッションに高荷重がかかっている時のシフトの固さが大きく改善されました。

以前使用していたステップは非常に軽く美しい仕上げであり、通常使用では何も問題ありません。
アグラスさんが上記の理由も考慮して、設計されたかどうかも分かりません。
(基本設計レイアウトは純正と同じですから。)
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ただ、やみくもにお金を掛けても意味が無いと言うのは、具体的にはこういう事です。
「有名メーカー品で、軽量なら尚良し!」では無いことの代表例です。

今回の大事な勉強は、実戦の中にしか正解はない。
「レーサーを作る。」事にとっては1番大事な事ですね。

提供はPRO-TEC名古屋北 柴田でした。