汗と涙感動の組立編の続きです。


前回のハーネス組込から始まり、他のパーツをドンドン組立てます。

マフラーやバックステップなど、一般的なパーツの話はつまらないので、ここでは省きますわ。
今後しばらくは、レーサーならではのパーツをご紹介していきます。

ピンポイントの方にしか、喜んでいただけない内容が続きますにで、ゴメンナサイ

「Translogicレース用ECU対応シフタースイッチ」です。

いわゆるクイックシフト、クラッチ操作なしでシフトアップ&ダウンが可能になるスイッチキットです。
今のところ、MFJレギュレーション可、レース用ECU対応、ブリッピング含めた反応速度、
信頼性のトータルで選ぶとコレが1番良いらしいです。
元ヤマハワークス監督の難波さんの会社が売っている以上、疑ってはいけません。

シフトアップ機能は、純正でもついています。
これは素早いシフトアップができ、加速を途切れさせない事が目的です。
対してシフトダウン機能は、素早いシフトダウンが1番の目的ではありません。
左手のクラッチ操作なし、ブリッピング(勝手にアクセルを回し、回転を合わせてくれる)
事によって、全神経を右手のフルブレーキングに集中できる事が1番の目的です。
決して左手が疲れるから、装着する分けではありません。

さらにコレ、ちょっと面白い機能があって、付属ボタンを押すと勝手に1分間レーシング(空ぶかし)
してくれるんです。

何に使うかというと、暖気運転しながらオイル漏れや各部作動点検が1人で出来るんです
アイドリングではなく、レーシングしてくれるトコロが、レースメカニックの気持ちが
分かってくれています。
さらに1分後に勝手に最低回転アイドリングに戻りますので、ラジエーターファンの付いていない
レーサーでも、オーバーヒートの心配も少ないですし。
(今はレーサーでもアイドリングありです。大昔のレーサーはアイドリングが無でしたが
YZFR1 012

















「アルミオイルキャッチタンク」
もです。

万が一のエンジンブロー時に、オイルをコースにぶちまけないよう、レギュレーションで取付を
義務付されています。
純正のR1だと、「絶対取り付ける場所がねぇ!」というサイズですが、要らないパーツが外してある
レーサーには余裕でクランクケース上に取り付けられます。
ただこの部品、取付義務があるのは日本だけなんです・・・。
EUやUSAの主なレースでは、レギュレーションで取付義務はありません。
  ↑ コレ知っていると、通っぽいですよ。
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「8耐のこぼれ話っぽい話し」


ちなみにレーサーが良く取り付けているパーツで、「ガソリンキャッチタンク」というパーツがあります。
これは燃料タンクを交換や改造した場合は取付義務がありますが、実は純正タンクを無改造で
使用している場合は不要なんです・・・。
ただ純正タンク使用でも、ガソリンのオーバーフローパイプやオイルブリーザーパイプなどは、
アンダーカウル内に流出するように、取り回しや長さを変更しなければなりません。
アンダーカウルはレギュレーションで、ガソリンやエンジンオイルが噴出した時、
受け止めて溜めておけるような構造になっていなければなりません。
これはトラブル発生時、コース上にガソリンやオイルを巻き散らかさないようにです。

ただし正常に走行していても、ちょとずつ吹き出してアンダーカウル内に溜まっていきます。
溜まったガソリンとオイルが混ざり、エキゾーストパイプの高温集合部分に触れると、当然燃えます。

今年の8耐後半で、某HONDAさんのチームのマシンの下回りから、火がでました

アレです。 コレです。 コイツが犯人です。

だからマシンを知っていて出火原因を推測できる方たちは、マシンが燃えていても慌てませんでした。
事実、消火作業のためのピットインはさせませんでしたね?

「ほっとけば全部燃えきって、すぐに消えるわ。」という判断でした。


このように燃料系の処理やアンダーカウルは、外側からはわかりませんが公道用のバイクと
大きく違うポイントです。

公道用は路面に全て垂れ流してOKです。
アンダーカウルはエアダクトや穴があり、雨水が溜まらないようになっています。
(レーサーも雨が降った時だけ、水抜き穴の使用OK)
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パーツのお話はまだまだ今後に続きます。
ブリッピングやオーバーフローなど、聞きなれない用語もでてきます。


長くてメンドクサイと思う方は、頑張って全部読んでください。
当ブログは用語説明はいたしません。自力でググってください。

当ブログはレースベース車取付説明書と同じく、「雑」です。ご勘弁を



提供はPRO-TEC名古屋北 柴田 典生でした。